物心ついたときから決まって同じ日に同じ女の人の夢を見るようになった。 初めのころは、女の人の横には男の人がいた。 遠目からしか姿が見えず、顔はよくわからないけれど、二人はとても幸せそうに微笑んで いるように見えた。 でも、ある時から女の人一人だけになった。 その時初めて女の人の顔を見た。 綺麗で儚い人だった。 その瞳からあふれる涙。 私はなんだかとても切ない気持ちになった。