【短編】寝ているアイツにキスをした。





「だから、お前はずっと昔から一緒にいるから特別なんだよ」



「……それって、幼なじみとして??」



俺を見つめる柚子の目が、なんだか切なかった。



「なに言ってんだよ。当たり前だろ。それ以外になにがあんだよ」



「……だよね。ごめん。なんでもない」



「あのよ、今日のお前なんか変じゃね??」



「そう??そんなことないよ」



俺はずっと思ってた。
柚子にそんな悲しい顔をさせてるのは、俺なんじゃないかって。



ほんとはさっき、柚子に正直な気持ちを伝えそうになった。
でも今の関係が崩れるかもしれないから、言わなかった。



なんで柚子があんなことを言ったのかは、わからなかった。