「……好きだよ、柚子」
柚子の頭を撫でながら、寝顔を見つめる。
この気持ちが柚子に届いたら、どんだけ楽なんだろう。
柚子の気持ちを知らない俺は、結局どうすることもできない。
ただこうやって見守るしかない。
好きな女を見守るだけって、以外と辛いんだよな。
でも柚子のそばにいて、柚子が笑顔になれるならそれでいい。
そばにいられるだけで満足だ。
「……柚子、だいすきだよ」
柚子を見ていたら、無性にキスしたくなった。
その唇を奪いたくなった。
「許せ柚子。……柚子のファーストキス、もらうからな」
そう言って俺は。
―――寝ているアイツにキスをした。
【完結】



