【短編】寝ているアイツにキスをした。





柚子は俺の隣に座る。



「そういやお前、もう目がパンダじゃねぇな」



「樹にパンダって言われたから直したのー」



「なんだよ。ずっとパンダでよかったのに」



「ヒドーイ!!パンダって、あたしはぬいぐるみじゃないもん」



「お前ってほんと面白いな。からかってるとひまつぶしになる」



「なにそれ!!もうっ」



「おっ、帰ってきたな」



「うん。あたしお腹空いた。行こう樹」



「はいはい」



ったく、ほんと柚子は子どもだな。
でもあの時からずっと変わらない。



俺の好きな柚子のままだ。
ありのままの、柚子。



「ごちそうさま。あーお腹いっぱい」