「先生、私をここに…泊めて下さい。」







何故彼女がここに居るのか…。



そんな疑問も頭を過ぎったが、憔悴しきった様子の彼女に…



俺はとりあえず、諭してみる。





「わかった。わかったから…まず中に入れ。」





パタン…とドアが閉まって。



ぽたぽたと雫を垂らしながら……



彼女は小さく…、呟いた。






「……ごめんなさい…。」







一体…何に謝っているのか…?





今までかつて…、こんな弱りきった彼女を見たことがあったであろうか?




それくらいに。



蚊の鳴くような…か細い声であった。








「……タオル持ってくるから…ちょっと待ってろよ。」



「…………。」




俺は2、3度振り返って。



彼女の姿を確認しながら…バスルームへと向かった。