鍵を開けて。



マンションの一室へと…入る。




キッチンの電気を点けると、



がらんとした部屋の所々に…



彼女がいた、その形跡が…まだ残っていた。



いつもの定位置からズレたクッション。



彼女に貸した服は…、きっちりと畳まってソファーの上へと…置かれている。



「………。」



買い物ついでに借りたDVDの袋が……、



出番を待つかのように、フローリングの上に…、横たわっていた。




『夜に見ましょう。』
…と、そう言って。


彼女が選んだものだ。




俺はそれを手にとり、ソファーにドカっと座ると。



中身を…確認する。




「……………。色気ねぇな。」




次は邦画って言っていたから、どんなものを選んだかと思えば………。





『日本の妖怪100』。






夜にコレ見るって……。




アホか。