そう、俺は、10日前のあの日、

音々を拾わなかったら、

今でも、結婚なんて

考えられない生活を送っていたはず。


人生なんて何があるかなんて

誰にもわからない。


俺があそこで音々を拾ったの奇跡だ。


他のやつに拾われる可能性だってあった。


俺があの日ここに寄らなかったら、

コンビニでおでんを買わなかったら、

こうして二人で並んで飯を食うなんてことは

なかったのだから。


「…はい。そうなんです。」



頭の中で、回想していた俺は、

音々の声で、

現実に引き戻された。