実家に帰り、親や親戚から、いろいろ言われたが、

とにかく自分の生活を立て直す必要があった。

法律関係の仕事は、やりにくくなり、

畑違いの仕事だったが、

田舎の小さな食品会社に就職した。

倉庫の管理部門に配置され、

重労働の上給料はほんの少しだった。

たちまち腰を痛め入院を余儀なくされた。

ただ、法律に詳しい俺は労災で保障してもらい、

しばらく療養という名目で

給料の半額を働くことなく手に入れられた。

俺はそこで理学療法士をする女といい仲になった。

女は30前半で、結婚を焦っていた。

俺は無理やり体の関係を持たされ、

責任をとれと結婚を迫られた。

そして俺はまた、女から逃げるために、

せっかくてにいれた保障を棒に振って、

また治りきっていない身体で、東京にもどる羽目になった。

なぜ、俺の心構えができていないのに

結婚というふうになってしまうのか、

俺は、そのあとも何度か女と付き合うたびに

結婚の話が出る度、女と別れた。