昼間は母の存在を感じて怯え、


夜は夢の中で暴力を受けた。


音々を預かった友人は催眠療法を施すことを提案した。




その頃まだ、あまり聞きなれないものだったが、

普通の治療ではとても対処できないと知った大志さんは、

わらにもすがる思いだった。


そして、施された治療がこの10年の事実を忘れさせること、

そしてその分の記憶を載せ替えること。


そして、前向きな性格にすること。


どこまでうまくいくかは本人の資質によって違うらしいが、

かなりの部分で上手くいったらしい。


治療が施されたあと、

音々はオーストリアへ。


ここまでが音々の真実の過去だ。