「昨晩はご協力ありがとうございました。」


「あ、いえ、はい。」


「お礼として、当館の温泉宿泊券と昨日の撮影データを

 プレゼントさせてください。」


支配人らしい男性。


「あの、あなたは?」


「あ、ご挨拶遅れました。

 私当館のオーナー兼支配人をしています。

 女将は私の妻でして、お話は伺っています。」


「そうですか。あなたが。」


この人が音々の母親ご主人か。


「あの、お幸せなのですか?」

俺の質問に

支配人は少し困った顔をしながら、


「そうですね、

 それなりにと言いましょうか?

 二人で色々乗り越えてきました。


 幸せはまだ作っている最中です。

多分一生それは続くでしょう。


 ご結婚おめでとうございます。


 是非またお二人でお越し下さい。

 お待ちしています。」