「ごゆっくり」
食事を運んでくる仲居さんが
襖を閉めたあとクスクスと笑う。
もう、この旅館の伝説になるだろうな家族ぶろ流血事件
俺は医務室で頭を包帯でぐるぐる巻かれ、
部屋に戻った。
家族ぶろには清掃中の札がかけられているに違いない。
マジ、大失態だ。
なにげに傷の手当をしてる時に
聞こえてきた噂話は、
『嫌がる若妻に、一緒に風呂を強要した上、
やらしい行為をしようとして
突き飛ばされて怪我したらしいよ』
『うわ~、いやらしい、っていうか自業自得?』
確かに想像はしたけど、行為はしてないっつーの。
はあ、旅の恥はかき捨てとは言うが、近場過ぎて
恥はきっちり恥になるな。
まあ、どうでもいいけどね。
もう、この旅館に泊まるのはやめよう。
もっとユニークな湯に行く!
って、キタこれ?



