ローカル駅の電車

列車が来るのは30分に一本。

駅のベンチに並んで座る。


「音々。」


「はい。」


「俺、忍くんの言うようにおじさんだぞ。いいのか?」


「八起さんはおじさんなんかじゃありません。

 忍さんひどいです。」



「いやいや、10歳も違う38だ、

 もうそう言われてもしょうがない、

 アラフォーだからな。」


「なんですか?あら、ふぉーって

 フォーなら食べたことあります。

 楽団のアメリカの方のおばあ様がタイ出身で、

 みんなに食べさせてくれて。美味しかったです!」


「ああ、フォーねコメの平打麺!

 あれは弾力あって…って違うよ音々。

 アラウンドフォーティー、40前後ってこと。」


「まだ音々は若いから、もっといいやつがいるかもしれないぞ。」


「いません。あ…」

何か思いついて、そして俯いて呟いた。


「八起さんは私みたいな年下は本当はお嫌いなのですね。」