しかし翌日、メールが知佳から母親に届いた。

「やっぱり、猫を飼いたいんやけど」
というような内容であった。

もちろん千恵子は、猫を飼うのはだめだと諦めるように返答したのであるが、もともと娘の知佳は言い出したら聞かない性格である。

なかなか諦めそうにはなかった。

私も千恵子も反対したのであるが、数日後

「やっぱり、猫を飼うことにする」

と知佳から電話があり私たちは考えを翻すように努めたのであるが無理であった。



結局は飼うことになってしまい、四国に住んでいる私たちにはどうすることもできず、そのままになってしまい、私たちは知佳を説得するのを諦めざるをえなかった。

ただ飼うなら飼うで上手く飼えるのかが心配であった。

なぜなら実家で飼っている猫は私たちが世話をしていて知佳は猫の世話などしたことが無かったからである。

私たちは知佳が飼いたいと言っている猫がどんな猫なのか訊ねてみた。

そしてメールで写真を送ってくれるように伝えた。

返事はすぐにあり、まだ知佳の友達の部屋に居る手のひらに乗せた子猫の写真を送ってきた。

それを見ると、まだ非常に小さく幼い子猫であった。