天国のマシュに会いたい

そして私は、蚊が少なくなったとはいえ、まだやって来るかも知れないので、蚊取り線香を点けて準備をしてから玄関のドアを開け放す。

ドアが開くのを待っていたマシュが、ピョコン、ピョコンと外へ出て行く。

私は小さな椅子を用意して玄関の所に置き、それに座ってマシュを見守る。

そこへ部屋着に着替えた千恵子が来て、マシュについて一緒に歩いてやる。

一時間半くらいマシュは外でいただろうか。

夕闇が迫ってきて家の中へ入れた。

家の中に入るとマシュは水を飲み食事をした。

この頃にはマシュの体重も三キロ台の半ばにまで回復していた。

そして薬を飲ませると消毒をした。

右足先は、ほとんど変化が無かった。

少なくとも良くはなっていない。

とにかく薬と消毒を続けるしかないなぁと思っていた。

夕食後、九時が近づいて来る。

マシュを見ると、私の顔を見つめている。

そしてマシュが立ち上がり
「カツ、カツ、カツ・・・」
とリビングのドアに向かって歩き出した。

私が最後に見て聞いた、マシュの歩く姿と歩く音であった。

私も立ち上がると、マシュの所に行き、マシュを抱き上げた。