天国のマシュに会いたい

便が出そうになるとリビングのトイレに入る。

昔のように活発ではないが、あちらこちらと移動しながら、左足を舐めたり横になって腕を
「チュパ、チュパ・・・」
と吸っている。

そして寝ていることが多くなった。

ソファで寝ている時には、私が横に座りマシュを撫でながら、そのまま添い寝するように、私自身もうとうとと、うたた寝をする。

夕方になると、私は以前のように夕食の支度をする気力が薄れていたが、今日は、がんばって作っておいた。

そして千恵子が帰るとマシュの処置をする。

次の日の朝も千恵子を八時に起すとマシュの尿を搾り出し点滴をして薬を飲ませて左足の消毒をして、一日が始まる。

私からすると、マシュはよく耐えてくれている。

人間であれば、自分の大腿部の肉をむき出しにして、骨を突き出したまま過ごすことなど、とうてい考えられない。

また、そういう手術もしないであろう。

マシュは左足に触れられるのを嫌がるので痛みはあるのだと思う。

他人が、もし今のマシュの姿を見れば驚いてしまうに違いない。

普通には考えられない姿である。