天国のマシュに会いたい

マシュの尿を出す作業や点滴、そして薬を飲ませてから左足の消毒をしないといけないからである。

全部の作業で三十分くらいかかるのである。

夕方は尿を出す作業と点滴が無いので、それほど時間がかからないが、朝は大変である。

その後、九時半になると千恵子は仕事に出て行き私とマシュがリビングに残る。

知佳はあいかわらず午後まで寝ている。

マシュは朝から、もう自由に歩かせている。

「コツ、カツ、コツ、カツ・・・」
と左右の足の音を響かせながら歩いている。

切った足が短くなっているので、歩く時に身体がぎくしゃくと揺れるように歩いている。

そして水を飲み餌を食べ、リビングに置いてある猫のトイレに入り便をした。

リビングの中を自由に歩けるようになったので、もうそろそろゲージの中の水や餌やトイレは必要なくなるかも知れない。

以前は活発だったマシュも、さすがにおとなしくなり座って左足の傷口を舐めたり横になって腕を
「チュパ、チュパ・・・」
と吸っていたり、寝ているばかりで、あまり動かなくなり、以前の活発で元気なマシュの面影は無くなった。