天国のマシュに会いたい

しかし出血は徐々に多くなる一方であり止まる様子は無い。

マシュは水を飲み固形の餌もどうにか食べるようになり少しながらでも良くなっているのだが、このまま出血が止まらなければ、命を賭けた手術を行なわなくてはならない。

最初の命の危機は脱したかと思うと、次は壊疽との闘いである。

難題が次々とやってきて本当に大変である。

私はマシュを見ると心配で心臓が張り裂けそうになる。

知佳も心配なのか、病院に入院している時には見に行ったり、家に帰ってからは無言で優しく撫でていたりする。

千恵子と二人で、千恵子がマシュを押さえて、私が薬をマシュの口に入れるのだが、出血している左足が痛いのか、左足に触れるとマシュが怒る。




神が居るなら、どうにかマシュの左足の出血を止めてほしい。




私は必死に祈るのであるが・・・
祈りは通じなかった。

翌日、マシュの診察に行き、いつもように尿を搾り出し点滴と注射をしていると、先生が左足の出血具合を診て

「出血している所から先を切り落としますか」

出血している所から先は、もう回復しないであろうから、そこから足の先を切り落とすつもりらしい。

明日の診察で様子を見て、手術をしますと結論を出された。

ただし麻酔が使用できないので難しい手術になる。