天国のマシュに会いたい

右足の爪や指先が変色し始めていた。

こうなるのは先生から言われていたのですぐに壊疽だと分かった。

ただ先の部分だけで、それ以上広がらなければ大丈夫だと言っていたので、右足の上の方の部分が出血していないか毛をまさぐって探したが、出血している部分は無かったし、左足はほとんど動かないが右足は動く。

どうやら右足は指先以外は、今のところは大丈夫である。

問題は左足である。

その日の夕方になると出血量が少し多くなってきたようだった。

とにかく、なるようにしかならないが、何も助けてやれない自分が情けなかった。

辛くて、苦しい毎日が続いていく・・・

翌日も千恵子と二人でマシュを病院に連れて行く。

先生はマシュを診て、右足は想定の範囲内だが問題は左足であると言い、しばらく考えている。




「このまま壊疽が進行してしまうと、命にかかわってくるので、どうにかしないといけない・・・切り落とすか・・・しかし麻酔をかけると心臓が止まってしまうかもしれないし・・・これは大変ですねぇ」
と言い、どうするか困った様子である。



そして
「もう一日考えてみましょう」
と言い、いつもの治療をして家に帰った。