天国のマシュに会いたい

左足の中ほどから出血しだしたのが壊疽でなければよいのだが。

とにかく明日、先生に診てもらわなければ分からないが、壊疽で無いことを願った。

夕方、家に帰ってきた千恵子に話してマシュの出血している部分を見せたが、やはり私と同じ様に、壊疽が始まっているのではないかと不安を口にした。

翌日、千恵子は土曜日で休みなので、二人で一緒にマシュの出血が壊疽で無いことを祈りながら病院へ連れて行く。




ところが出血している部分を一目見て先生は
「これは、だめですね。壊疽が始まりましたね」
と無常にも告げられた。




先生が触ると痛いのかマシュは怒る。

先生には今の治療を続ける他に手立てがないので、このままもう少し続けると説明された。

「壊疽が始まったことについては、少し様子を見て考えましょう」

と言い、いつもどおり尿を絞りだすと点滴と注射をして帰った。

私は不安が的中して、この先どうなるのかが心配であった。

家に帰ると、この日初めてマシュが固形の餌を自分から少しではあるが口にした。

私は食べ始めてくれたのには安心したが、壊疽が気掛かりである。

そしてマシュの足をよく見てみると、右足にも変化が起こっている。