天国のマシュに会いたい

安楽死の決断など私には、とうていできない。

できる訳が無い。

安楽死を決断しろと言われたら、気が狂ってしまいそうだ。

そうなれば仕事とか生活費とかの問題などどうでもよい。

自分自身の死を決断するかも知れない。

頼むからマシュ・・・
元気になってくれ。

どんな形でもいいから命だけは繋がってほしい。




マシュ・・・




翌日の朝も千恵子と私の二台の車でマシュを病院へ連れて行き、尿を搾り出し点滴と注射を済ませて家へ連れて帰る。

私はマシュに手づかみで餌を口に押し込む。

ただ精神的には、ほんの僅かではあるが安定してきている。

精神科でもらった薬が効いているのかも知れないが、かなりな心の苦しさに変わりはなかった。

私は小説など書くどころではなく一日中マシュを見ていた。

そして仕事も今は来ないでくれと願った。

とにかくマシュの傍で居てやりたかったからだ。

それに今は仕事が来ても、まともな精神状態でできそうにはなかった。

自分のことなどどちらでもよい、マシュのことだけ考えていた。




命だけでいいから、生きていてくれマシュ・・・