森岡清香、14歳、市立〇〇中学2年。
答案用紙の上の枠内にそう記入すると、わたしはまだ47分もあるのを確認すると手早く問題文を読んだ。

いまは10時3分。英語の試験。
英語は得意だしきっと受かるだろう。
試験の心配より私は別のことが気がかりだった。

一つ目は、わたしの部屋のシャーペンが曲がった状態でのベッドの下にあったこと。
二つ目は、一つ目に比べれば全然大したことないけど…。

一つ目は不自然すぎる。
歪な方向に折れ曲がったシャーペンがベッドの下から出てきたことなんか一度もなかった。

それにしても使いづらいこのシャーペン。
文字を書くたびにちゃらちゃらと音がなる。
さすがお姉ちゃんのシャーペン。
お姉ちゃんは機能性とか考えたりしないだろう。
きっと、可愛さを重視している。

お姉ちゃんらしいといえばお姉ちゃんらしいけど。
試験中はさすがに少しイライラする。