昨日の帰り。
いつものようにアキラと二人で、下校。

いっつも仏頂面のくせに、いっつも道路側を歩いてくれる。
ホント見えないところで優しいよ、この人は。



今は、私の鞄投げ付け行為のせいで、ちょっとご機嫌ななめなようだけど。


思い切って聞いてみた。
何だか気になって仕方ないから。

「ねぇ、」
「何だ?くだらないことだったらシバくぞ。」
女に向かって、まぁひどい。
「アキラのクラスにオレンジ頭の軽そうな男っている?」
瞬間、急にアキラの姿が横から消えた。
後ろを振り向くと、さっきよりも更に眉間にシワを寄せて立ち止まっている。

「お前、あいつに会ったのか?」
だから、
「あいつって誰?」






答えはなし。
そのまま、家まで着いてさよなら。

結局、私の中のモヤモヤは、解消されるどころか、そのまま蓄積。



自分の部屋で、アキラの反応をリピート。

もしかして、めちゃくちゃ嫌いな相手なのかも。

まぁ、私も第一印象はイイとは思わなかったし。



もう、話し掛けられる機会も無いよね。










次の日曜。
私は、アキラの部屋で布団にダイブ。
「おい、お前なにしにここに来てんだ。」
「え〜、それは勿論、学校の宿題をしてもらいに。」
相変わらず、布団の上で転がり中な私。

ガツッ!

頭に鈍い音と衝撃が走った。

「いったぁ〜。乙女の頭になんてことを。」
「誰が乙女だ。宿題くらい自分でやれ。」
御最もな意見をどうもアリガトー。
しかしですね、どうにもやる気が起きないんだよ。

そんな私の我が儘に付き合わされるアキラ。

そして、即席アキラの宿題講座がスタート。







そして、そして。


あいつとの関係もスタートした。