君と、世界の果てで



「寂しくないように、抱いててやるから。

お前が望むなら、ベースだって、ギターだって、枕元で弾いてやる。

歌だって、苦手だけど歌ってやる」


「……っ……」



深音は、涙を流して、こらえきれなくなった嗚咽を漏らした。



「だから、そばにいてくれ……。

俺は、希望を捨てない。

頼むから、歌をやめるなんて、言わないでくれ……!」



絞り出した声は、自分でも聞き苦しいほど、低かった。



「でも……っ、

移植できる心臓、見つからないかも……」


「それならせめて、

死ぬまで俺の横で、

歌え!!」




深音は、目を見開いて。




息を、飲んだ。




クリスタルの欠片のような涙が濡らした白い頬が、微かに動いて。




紅い唇が、言葉を紡ぐ。




「…………はい………!!」