出番までは、長いようで短かった。
対バン4組の中で、俺達は3番目。
前のバンドが袖に入り、崇文がお疲れ様ですと声をかける。
「行きますよ」
緊張した崇文の声で、一旦暗くなった舞台に上がり、自分の楽器をセッティングする。
おぉ。
わりと客入ってんじゃねぇか。
対バンだから、俺達目当ての奴がどれだけいるかは、わからないけど。
イブなのに、暇な奴らだな。
久しぶりにステージに上がった緊張を和らげるため、そんなどうでもいい事を考えた。
……本当に、久しぶりのライブだ。
俺の指には、陸の遺品のシルバーリング。
そして手には、俺の元恋人のRB620。
崇文の合図で、照明が俺達を照らす。
あぁ、この暑さも。
久しぶりだ。
さぁ、行くぜ。
崇文が、メンバーに目配せをする。
1曲目。
『WORLDS END』



