「コラァー!
誰だなんか気の抜ける音出してる奴は!」
前方のドアに男性教師が立っている。
「はぁーい!
オルガンがあったので弾いてました!」
男性教師は、オルガンを見ると不思議そうな顔をした。
「なんでこんなところにオルガンが?」
「私が見つけたんですよ!」
「黙らっしゃい」
テンション高すぎだろ。
男性教師は、近寄ってきてオルガンに触る。
名札には、葛(カズラ)と書いてあった。
「これ、去年廃棄処分したオルガンだぞ?」
「じゃぁ、なんでここにあるんですか?」
私が聞くと、葛先生は悩ましげな顔をする。
そして出した答えが、
「足が生えて戻ってきたとか」
「どんなホラーだよ」
……思わずつっこんでしまった。
ここで、マグロに足が生えたものが妙なダンスを踊っている江夏の落書きを思い出した。
あれは……、ある意味ホラーだった。
江夏に画力というものはない。
「オルガンに足が……。
すらりとした美脚だったらいいですよね!」
とりあえず黙ろうか。
「それで、色白な。
シミ一つないなめらかな生足……」
お前もか葛!!
「やめんかい!」
このままだととんでもない妄想をし始めそうな二人。
「太ももは細すぎず太すぎず……」
「俺はムチムチ派だなぁ」
黙らんかい!!

