十騎士



「騎士団長・・・?」


恐る恐る顔を上げると、そこには微笑む団長の綺麗な顔があった。
彼女のこんな顔を初めて見たので、二人とも少し驚いていた。
そして、コウの肩にも手が添えられ


「合格だ・・・。」


そう一言言うと、手を放す。


「合・・格?」


ポカンとした表情で問い直すチカに、彼女はもう一度言う。


「お前たちは合格だと言ったんだ。不満か?」


「いいえ!」


チカの目がキラキラと輝きだす。


「やったな!チカ!」


「うん!」

二人は合格した喜びを分かち合い、ハイタッチをかわした。


「これでやっと・・・騎士になれるんだ・・・。皆を守れるんだ!」


チカはそういうと、何かを誓うように胸に手を当てる。


「「騎士団長!これから正式な騎士として、よろしくお願いします!」」


二人が息ぴったりに言うと頭を下げ、改めて挨拶を交わす。


「ああ・・・よろしく」


ミリアは再び微笑みながら、そういうのであった。