斜め上75度の景色。




「いちいち照れんなよ」



「うるさいっ」



真っ赤な顔をするあたしを見て、本当嬉しそうだ。




「雛子」



「なによ」



「帰るぞ」


次郎は笑って手を差し出してきた。


そして、あたしも笑顔で手を差し出した。




「手を繋ぐの…あのナンパ以来だね」



「ナンパ、ナンパ言うな。あれは一生で最初で最後のナンパなんだからな。

輝かしいナンパと言え」



「え、本当?」


輝かしいナンパって普通にナンパって言ってるし。



「嘘言うわけねーだろ、バカ雛子」