「高校で再会して、すっげー嬉しくて絶対雛子を彼女にするって決めてた。
けど、1歳の壁を感じた。
何もかも雛子が先に経験する…それが悔しくて、でもそんなこと言ったって年は縮まねーのに…自分がすっげーガキの様に感じて好きで好きでたまらないのに、告白すらできなかった」
「…次郎」
「それでも、いつかは雛子の隣りで彼氏として笑える日を信じてた」
その後、小さな声で呟いた。
「結花が告白する日まで…」
そう言った瞬間、次郎はとても悲しそうな表情に代わった。
そんな表情にさせたのは、あの時のあたしのせい。
「結花の告白はその場で断ろうとしていた。
でも、雛子が結花を勧めてきた瞬間、力が抜けた。俺がどんなに頑張っても雛子への気持ちは叶わないんだって、分かった」
あたしの見栄っ張りのせいで次郎をあの時傷つけてたんだ…。
「だから、もう諦める気で結花と付き合った」
「ツ…」
思い出すのは次郎を迎えに来た結花ちゃんと次郎が手を繋いで帰る所。

