「俺の気持ちって….あの時にあたしをフったのは次郎じゃない」
卒業式の前日の屋上であたしの気持ちを伝えた瞬間、次郎はなにも言わなかった。
それが次郎の答え。
「あの時、答え出してねーじゃねーか」
「それが答えじゃない」
「は?何でだよ」
「次郎は仲の良い先輩をフるのが言いづらいから何も言わなかったんでしょ?
それぐらいあたしだって分かるよ」
「なんでそんな解釈になるんだ…」
「え、違うの?」
「全然違ぇーよ」
次郎は屈むのを止め、背筋を伸ばして頭をかく。
「じゃあ…答え、教えてよ」
久しぶりに斜め上75度見上げる。
「教えてほしいなら、もう1回言ってみろよ」
「はい?」
「だから、もう1回お前の気持ち、言えよ」
出た、次郎の上から目線。
「…言わない」
「は?なんだとコラ。またグリグリの刑やるぞ」
次郎の腕がまた頭を捕まえようとするから1歩下がる。

