斜め上75度の景色。




「お前が卒業第1号だな。

あと明日、名前は呼ぶから。って来ないお前に言ったってもだけどな」



「……じゃあ、あたし帰ります」



「あ、あぁ。箱田、元気で頑張れよ」



「はい…先生、今までありがとうございました」


丁寧にお辞儀をする。



「さよなら、先生」



「おう、またな」



静かに職員室を出た。



そして、向かったのは3年2組の教室。



「うわっ、やっぱり開いてると思った」


一か八かで教室に行ってみるもんだな。



「さすがだ、あの担任…鍵掛けるのめんど臭かったんだな」



教室に入ると、冷たい空気が体に応える。



「寒いな~…」



窓際に歩いて行くと、グラウンドでは2年生がサッカーをしていた。



「……やっぱり、かっこいいな」



ゆっくり椅子に座ってカーテンで体を隠してグラウンドを見つめる。