斜め上75度の景色。




「次郎、今までありがとね」



「……バカ雛子が」



「先輩にバカとか言うな。…じゃあ、あたし先生に用事あるし、次郎はこれから授業でな」



ゆっくり次郎の頭から手を離す。



「じゃあね」



「おぅ…また明日な」



明日は卒業式。


当たり前に2年生も出席する。




あたしは笑って次郎を見ると、降り返って屋上を後にした。




「雛子っ」



ドアを閉める瞬間、次郎の声は聞こえてない振りをした。




頬に流れるものにも気づかない振りを






























できる訳もなく、近くのトイレに入ってずっと涙を流し続けた。




『なんで今さらになって言うんだよ…』




ねぇ、次郎。


あの時、あたしが勧めなかったらあなたの彼女は誰になっていたかな?