それから1ヶ月後、次郎には可愛いらしい彼女ができた。
名前は今岡結花ちゃん。
とても素直な可愛いらしい子だった。
『次郎…おめでとう。高校で彼女できるの初めてじゃない?やったね』
無理して作った笑顔で笑って言った“おめでとう”という5文字の言葉。
心の中ではドロドロした気持ちで言った“おめでとう”。
『…さんきゅ』
そんな、あたしの気持ちなんて知らずに優しい笑顔で笑ってお礼を言った次郎。
あれから7ヶ月。
「なんで今さらになって言うんだよ」
「…なんでだろ。今日の朝、次郎に会って伝えたくなっちゃった」
笑って次郎を見上げるけど、次郎の顔は空のように曇ったまま。
「次郎…?」
「…先輩と後輩でいようとしてたのに」
「ごめんね」
背伸びをして次郎の頭を撫でる。
「…先輩面すんな」
「うふふ、別にいいじゃない….だってあたしは次郎の先輩だから」
今日で最後。

