『あ、あのっ、畑高の高杉次郎くんですよね?』



『あ、あぁ。そーだけど?』


胸がざわめく。



『あの!あたし七高の1年生の今岡結花と言います!ずっと高杉くんのことが好きでした!』



やっぱり…告白だったんだ。


一瞬にして、心が冷たくなった。



『友達としてからでもいいんで、あたしのこと考えてもらっても良いですか?』



『いや『いいんじゃない?』



『は?雛子…?』



『次郎にはもったいないぐらいの可愛い子が告白してくれたんだよ?

もうこんなことないかもよ?付き合っちゃえば?』



思ってもいない言葉を言うあたしに目に涙が溜まる前に次郎から離れる。


『邪魔者は消えますね。そういえば、引退祝いも普通は3年生とやるよね。

だから次郎、あたしのことは気にしないで結花ちゃんを送ってあげな?』



そう言って、あたしは今さっきの大会で走ったより速く走った。