嘘だと解っておきながら
なおも貴方は問うのです
聞くのです
僕を信じたフリをして
そういや神様は言ってたよね
嘘つきは泥棒の始まりだ
って
あれ? これ違うっけ
でも確かに君は奪ったよね
盗んだよね
僕が大事に抱え込んでた物を
何食わぬ顔してさ
さも当然のようにひょいっとさ
でも奪われた事にも気付かない
僕も悪いかも知れないけどさ
けどやっぱり大事な大事な
大事な僕の心
ねえ 返してよ返してよ
今更だってしょうがないだろ
ほら 返してよ返してよ
これじゃあただの人形だよ
空っぽの僕の心臓を動かす為に
君の手のひらのそれを
早く
進みたいって思ったんだ
このままじゃ嫌なんだ
駄目なんだ
踏み出す一歩に力は無いけど
そういや神様は言ってたよね
悪い子は地獄に落とします
って
あれ? なんだっけ
なら君は地獄に行くのかな
堕ちるのかな
僕はその時優越感に浸れるのか、な
否、違うな
きっとその手を掴んで
共に堕ちるだろう
逃れるなんて不可能なんだ
思うんだ
君に奪われた僕の心
君の元に在り続けるなら
それでも僕は構わないと

