――……即答かよ。


「バカ、ちげ~よ!」


「クライマックスはそこでしょ?」


 確かに間違っちゃいない。


去年まではそうだった。


映画観て、ショッピングして、いつもより少し高い店……まぁ、ファミレスだけど飯食って、ホテル……。


「あたしはいーよ。観たい映画たくさんあるしさ。聖(ひじり)なら、今からでも相手見つかるよ」


 ――おまえがいいんだよ! ちくしょう!


 屈託なく励まされて、俺は凹んだ。


 ――おまえとなら、ホテルに誘ったりしね~し。少なくとも今年は。


「……だってさ、誕生日、じゃん」


 声のトーンもすっかり下がる。


俺は吐き出すようにそう言った。


「俺ら、今年で二十歳だぜ?」


 そう、クリスマスはたまたま偶然、俺たちの誕生日。


だからこそ、絶対に今年はと、決めていた。


なのに


「面倒くさいなぁ」


 ――!!


あいつの口から、想像もしない言葉が吐き出され、俺は固まった。


「あたし、クリスマスのスタイルはもうこれに固定化されてるから、くずしたくないんだよねぇ」


 ――そーかよ!!