† of Pupil~瞳の魔力

おほん。と、デュオがわざとらしい、似合わない咳払いをする。

「では、教会介入の意を伝えようかな」

大手を振って、真輝さんへ――その腕に下げられている一二三さんへ向く。

彼の手が、気絶している一二三さんの顎を掴む。

「――」

そしてまた、不可聴の言語。唇は明確に動いて音も発せられているはずなのに、それを理解できない。

外国語であるとか、暗号めいているとか、そういう意味じゃない。

発音方法のわからない言葉だった。

幹の時と同じく、一二三さんが瞳を開く。そしてやっぱり幹の時と同じく、デュオの顔を見た一二三さんは、顔をひきつらせた。

暴れる――寸前に、真輝さんがあっさりと制した。親猫に首を噛まれて運ばれている、子猫みたいな状態だ。

目の前に見えない羊皮紙でも広がっているように、デュオは言った。

「本日、風間真輝の要請を受け、この場に参じた。案件は、風間一二三の、暴動の判定。予備事項として、六条賢一、それに関係する者らの善悪を問う――と、まあ小難しく言ってもわかりにくいね」

ひとり勝手に片手をひらひらと振って、仕切り直す。