† of Pupil~瞳の魔力

ひたひたと裸足でコンクリートを踏んで、幹が僕のもとへ来る。

あれほどサイズが小さいと思った修道衣は、今や、ロングコートのように幹の細い体を包んでいた。

「賢一っ」

と、幹がしがみついてくる。制服の胸が、ぎゅうと握り締められた。

(え、う、あ……)

なぜ? そう思ったものの、そういえばさっき、告白じみたものをしてしまった気がする。

(え、う、あ……)

真輝さんがデュオが香澄姉さんが、視線を送ってくる。

そ、そんなに見なくてもいいじゃないか。

幹を抱き締めてあげるだけの気概はなくて、突き放すなんて理由もなくて。

結局、

「意気地無し」

「えっ?」

「ヘタレ」

「うえっ!?」

幹になじられておわった。

彼女が離れた瞬間、頬に少しあざのようなものが見えて、やっぱり抱き止めてあげるべきだったかと、少し後悔した。