追い掛けるように起き上がった私はベッドの端で膝を抱える。 下着姿のままソファーでタバコをふかす俊也が言った。 「まぁ……この状況を見て怒るでもなく泣くでもなく……あとは何があるっけ。……いいや。とにかく、俺と寝た事実に嫌悪感はない?」 「あ、ある訳ない!」 「ん。よかった」 指に煙草を挟んだまま、俊也はふわりと微笑んだ。 私の大好きな笑顔。 それっきり俊也は黙って紫煙を操揺らせている。 そんな姿を膝を抱えたまま、ごろり、と転がって見ていたら、思わず呟いてしまった。