はじめに、「気持ち」の話をします。
読んでくれたらうれしいけど、面倒だったらとばしてください。 

あとで気になったときに読みにもどってきてくれても、全然OK。

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精神科 閉鎖病棟 保護室……
 どんなイメージがありますか?

ま、私はもともと、「太宰治かっこいい♪」なんていってる女の子だったので、
 脳病院とか癲狂院(てんきょういん)とか、そういうものに 廃墟的な ゴシック的な 憧れを感じていました。
  昔はね、今の精神病院に当たるところをそう呼んでたんですって。
 ただし、警察の監視下にある、今の時代からすると「非人道的」とかなんとかいわれるような、そんなところ。

 でもでも、NHKとか、いろんなメディアで「精神科」が取り上げられて、いまでは情報だけはとりあえず入ってくる、ような気がする。けれどそれは錯覚、「気がする」だけで、どんなに精神科の情報を取り入れてる人でも、やっぱ入ってみたら大違い。


ううん、多分、医者とか看護師とか、作業療法士とか、そんな感じで「精神科」に「医療チーム」として関わる人たちだって。
 「患者」として入った人間の気持ちは、やっぱり分かんないと思う。

「医療チーム」もその現場にいるのに、なんで?って思うでしょ。
患者との一番大きな違いは、「鍵をかけて、自宅に帰れる」これね。
患者チームは「鍵をかけられて、私物を取り上げられて、そこで生活するしかない」。

これ、かなり違う。医療チームは、働いている以外の時間は外にいる。自分の自由にさまざまなことができる。
 その心の余裕がある限り、やっぱりどうしても分かんないと思う。

「鍵をかけられ」「小さな子どものように持ち物制限をされ」「何をするにも主治医の許可がいる」そんな生活の、本当の辛さ。


 あ~、書いてて泣きそう。私まだ退院して二週間しかたってないんだ。
思い出すと辛いものがあったりするのよ。うん。

 そんな私は、今「精神保健福祉士」になろうと、大学でお勉強中です。
薬の副作用やら入院後遺症(これは後で描くね、私の造語。でも深刻な後遺症)に悩まされているので、今はお勉強もはかどりませんが。
 いつか精神病院にもどってやる。
医者でも、看護師でも、患者でもないポジションで。



そう思うのには、入院中の心残りが、日に日に大きくなってきているから。
 U田さん。
先に退院してしまった私は、彼女に会うことはできない。
彼女の様子も、こっそり知っているけど、それもいつまで続くかわかんない。
 
 でも、日本中の精神病院にいる、たくさんの「U田さん」たちのもとへ。
今度は堂々とおせっかいできる立場になりたいから。
だから、私はPSW(精神保健福祉士)になる。


そんなこんなで、次は入院形態について少しお話します。