(まったく、己の眷属を取られるとは、なんと愚かしい)
苦笑すら甘い俺に、ヤツはもう一度問うた。
「それで、アナタ、アレのお仲間かしら?」
恐らく、俺がアルの服を着ているせいもあって、小さな勘違いをされているのだろう。
ちっ、ヤツの服には洗っても漂白しても落ちない、特殊なニオイでもついてるのか。
「いや、ただの知り合いだ」
と、首を横に振る。
「親しい仲ではあるが、俺は人間だ。少なくとも、血を飲むような嗜好はない」
「そう、人間なのね。――でも、魔の気配を感じる」
ヤツの手が、するりふわりと、胸元に構えられる。
「ならば、ただの人間でもないのでしょう!」
そして断言と共に、ヤツの手はまっすぐ俺へ差し向けられた。
その手先から、目には見えない殺傷力が飛来してくるのを、感覚で捉える。
俺は、
「それがどうした!」
それよりわずかに早く、空中でマジックを走らせていた。
宙のただ中に、黒字が刻まれる。
苦笑すら甘い俺に、ヤツはもう一度問うた。
「それで、アナタ、アレのお仲間かしら?」
恐らく、俺がアルの服を着ているせいもあって、小さな勘違いをされているのだろう。
ちっ、ヤツの服には洗っても漂白しても落ちない、特殊なニオイでもついてるのか。
「いや、ただの知り合いだ」
と、首を横に振る。
「親しい仲ではあるが、俺は人間だ。少なくとも、血を飲むような嗜好はない」
「そう、人間なのね。――でも、魔の気配を感じる」
ヤツの手が、するりふわりと、胸元に構えられる。
「ならば、ただの人間でもないのでしょう!」
そして断言と共に、ヤツの手はまっすぐ俺へ差し向けられた。
その手先から、目には見えない殺傷力が飛来してくるのを、感覚で捉える。
俺は、
「それがどうした!」
それよりわずかに早く、空中でマジックを走らせていた。
宙のただ中に、黒字が刻まれる。

