実をいうと、すっかり治ったと思った傷が、あの女を何度も撃っている間に少し開いたらしい。
シャツの袖に、じんわりと朱が滲んできているのには、苦笑も乾いた。
帰ったらまたアルの目が煌めくかと思うと、また違った意味でゾッとする。
「仕方ないのでしょう」
と、一ツ橋の声が急に、弁護になった。
「事情も察するならば、鈴原家にとっても今回の件、姉巫女の復活はまったく予想外だったようですからな」
「……なに? 予想外?」
「ええ。鈴原家は今、封印が解けてしまったことについて慌てておりましてな。そちらにかかりきりで、あちこち奔走しているようでしてね。だから私が頼まれたのですよ」
「けっ。教会に頭下げるようじゃ、その鈴原家の情報網も知れたもんだな」
と、軽く見下してやったところで、一ツ橋はくるりと背を向けた。
その動作でわかる。コイツはもう、俺になんの用もないのだ。――あくまで、『今は』という前提がつきそうだが。
見送るつもりではないが、ヤツの背中を睨む。見つめるわけじゃない、あくまで睨む、だ。
シャツの袖に、じんわりと朱が滲んできているのには、苦笑も乾いた。
帰ったらまたアルの目が煌めくかと思うと、また違った意味でゾッとする。
「仕方ないのでしょう」
と、一ツ橋の声が急に、弁護になった。
「事情も察するならば、鈴原家にとっても今回の件、姉巫女の復活はまったく予想外だったようですからな」
「……なに? 予想外?」
「ええ。鈴原家は今、封印が解けてしまったことについて慌てておりましてな。そちらにかかりきりで、あちこち奔走しているようでしてね。だから私が頼まれたのですよ」
「けっ。教会に頭下げるようじゃ、その鈴原家の情報網も知れたもんだな」
と、軽く見下してやったところで、一ツ橋はくるりと背を向けた。
その動作でわかる。コイツはもう、俺になんの用もないのだ。――あくまで、『今は』という前提がつきそうだが。
見送るつもりではないが、ヤツの背中を睨む。見つめるわけじゃない、あくまで睨む、だ。

