どうやら真輝ちゃんは深手を負ってしまったらしい。無事救出という最良策には間に合わなかった。――ようだけど……生きている。

僕が言うのもあれだけど、さすがに人間じゃないや。

……でも、らしくない。

真輝ちゃんがまさか遅れを取るなんて。

もっとも、肩から腰まで斜めに大きく走った深い抉り傷も、アメーバが寄り合うように再生していくのは、やっぱり、さすがか。

傷のふちからふちへ伸びる細胞は、アメーバ同士が手を取り合っているようだ。

東城一族における昇華能力には、ほとほと、逐一、どうにも、驚かせられる。まさか不死身じゃないだろうか。攻守のみならず、身体能力そのものも僕らの想像以上だ。歴史っていうのは恐ろしい。

抉れた部分の筋肉繊維や血管、神経が次々に接着していく様には、我を忘れてしまう。

ひとえの前が見事に切断されているせいで、胸が少しあらわになっている。ちょっとしたやらしさだ。