反撃しようとした。

だが今度は女のほうが半秒――いや、まさしく丸々一秒、早い。

振り返ったわたくしは、女が腕を薙ぎ抜くのを、領域で知った。

その奇跡に沿い走った力で斬りつけられるのを、肉体で認めた。

わたくしは、自らの血が胴体から溢れ爆ぜるのを、感覚で見た。

そして――しゃらんしゃらん。

耳障りな鈴の音が、どこからもなく響いたのを、空間で聞いた。

視界が、墜落する。