(あーちくしょう)
と、たった少しの間に何度目かの舌打ち。
(アル、たぶんキレるだろうな。あーちくしょう)
スーツの膝やら肘やらは破け、腕から流れる血が、袖を重くしていた。
爆風に吹き飛ばされた時、ビルの壁に据え付けられている看板で二の腕を抉ってしまったのだ。
足首も捻挫している可能性がある。
前々からあの看板は邪魔だと思っていたが……今度闇夜に乗じて叩き落としておこうと決めた。
もっとも、骨折がないだけすばらしい奇跡ではあるが。
家に帰りつく手前で、ばったり真輝と一緒になった。
体の怪我を気にして歩いていたせいか、気配を辿るのを忘れていた。
(まあ、コイツとヤツを鉢合わせなかっただけマシか)
思っていたが、真輝は俺を見るなり、
「仁、なにその格好。スーツ? ふ。似合わないわ」
「まず怪我を心配してくれるべきではないか?」
実にかわいくないお嬢さまだ。
と、たった少しの間に何度目かの舌打ち。
(アル、たぶんキレるだろうな。あーちくしょう)
スーツの膝やら肘やらは破け、腕から流れる血が、袖を重くしていた。
爆風に吹き飛ばされた時、ビルの壁に据え付けられている看板で二の腕を抉ってしまったのだ。
足首も捻挫している可能性がある。
前々からあの看板は邪魔だと思っていたが……今度闇夜に乗じて叩き落としておこうと決めた。
もっとも、骨折がないだけすばらしい奇跡ではあるが。
家に帰りつく手前で、ばったり真輝と一緒になった。
体の怪我を気にして歩いていたせいか、気配を辿るのを忘れていた。
(まあ、コイツとヤツを鉢合わせなかっただけマシか)
思っていたが、真輝は俺を見るなり、
「仁、なにその格好。スーツ? ふ。似合わないわ」
「まず怪我を心配してくれるべきではないか?」
実にかわいくないお嬢さまだ。

