いつものように人々から感謝されたその日、ひとりが私に言ったのだ。

永遠に、この場所を物の怪から守ってくれないか、と。

私は、人間が永遠に生きられないことを、知っていた。

仏が定めたもうたこと以上に強力ななにかによって、人間――

いや、あらゆる命は必ず死ぬ存在であることを知っていた。

だから、それはできない。

そう私は言うべきだったのだが。

人々の眼差しと、一個に集中した希望の空気が、私にそれを許してくれなかった。

そして私は、決断したのだった。





それから――長い時が経った――今。