兼ね備えた気品と優しさ。 大事に大事に育てられてきた籠の鳥。 彼女が微笑めば、道の花も咲くのではないかと思うほどに可愛らしいその姿。 しかし、そんな麗しい姫の顔も今日ばかりは曇り空だ。 眉は悲しそうに垂れ下がり、長い睫毛が涙袋に影を映す。 時折漏れる溜息は外の天気まで変えてしまいそうで。 姫が抱える憂鬱の理由はただ一つ。 (…晴綱様とは、どのような殿方なのでしょうか) そう。噂ではとても美男だと聞く、これから夫になる男。結城晴綱のことである。