見えぬ外の世界に久保姫の体にも緊張が走った。 一体何が起こったのか。 不安に駆られながらもなんとか状況を把握したい久保姫が再び声をかけようとすれば、彼女がその口を開く前に聞き慣れたお付きの女の声が耳へ届いた。 「姫、様は、そこから出ずに、お待ち、くださ、い」 今にも泣き出してしまいそうな女の声に久保姫の胸に広がっていく不安。 何も出来ない自らの無力さに思わず手のひらを強く握る。 それでも言われた通り輿の中に留まれば、更に喧騒を増す外の世界。