案の定、床に這いつくばったナニかは秋夜だった。


「…ッ死んで、」

「う、うわああああッ」


何人かは、直ぐクラスメイト達が居る所へ行く。
俺は恐怖感に煽られ走り出した為か、周りが全く見えなかった。


「おい、架名ッ」

「え…ッうあ!?」


仲間の中から聞こえる声に俺はやっと気付いたんだ。
車が通り、避けきれないことに。

「何でこんな…ッ」

思わず目を瞑る。
が、何かに背中を押され俺は車と当たる事無く地面に倒れた。


「架名ッ大丈夫か!?」

駆け寄ってきたのは俺らの担任。
慌てて俺やクラスメイトの安否を確認すると、首を傾げる。


「今俺が轢いたのは誰だ…?」


千尋は初めから居ない。
一斉に俺達は引き摺られた血の後を追う。