『やめてぇぇえええええええッ』
キーンコーンカーンコーン


私が叫ぶと同時に特徴的な学校のチャイムが鳴る。
それは今は使用されなくなった筈の、旧校舎のチャイムだった。



ハッ、と我を取り戻した千尋は、咄嗟に此方へ駆け寄ろうとする、が、架名に抱き締められ動けなくされた。


「大体千尋は甘いんだ。大丈夫、感情を抑えきれなくなった奴は悪霊になる。悪霊を放置しちゃいけないんだ、分かるよな?」


架名は暴れる千尋を物ともせず、一枚の札を取りだし嬉々とする。

だが、私はもうどうでも良かった。



チャイムと同調し響く泣き声は、昔の私の声に似ていた。