「…さて、どうするか。」

渡されたハンカチで額を押さえながら地面に書かれた幾つかの名前候補を見る。


『花子とか何を狙いたかったの千尋君…』

花子を筆頭に、幸子や太郎など明らかにやる気の無さが伺える。
何だよ太郎とか。


「仕方無いだろ…」

『仕方無いでレベルかおま。』

シパッと言ってしまえば頬を膨らまし拗ねてしまう千尋。
だが、何か考え付いたのか口を開く。


「…お前、死んだの確か夜だって言ったよな?」

『え?あぁ、そう。それがどうしたの?』


答えれば千尋は地面に゙秋夜゙と書いた。


「秋の夜に死んだから、秋夜。女らしさ無いお前には十分だろ?」

『秋夜…』



無邪気に笑う千尋に、私は頷くしか無かった。